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メッセージ
かつては泳いで遊ぶことができた河北潟の水は、今はきれいとはいえない状態が続いています。私たちは20年前から、「とりもどそう!河北潟 泳げる湖、おいしい魚、安心して使える水」をキャッチフレーズに掲げ、農業での生物多様性や、市民の河北潟を守る活動への自主的参加を盛んにする取り組みを進めてきました。それでも現状では河北潟では、“泳げる湖”、“おいしい魚”、“安心して使える水”が実現できていません。そのため、私たちは河北潟を本来の姿である汽水湖に戻すことを前提に、河北潟の水を生み出す流域全体を一から見直す、新しい流域管理の形をつくることを提案しています。
これまでにパナソニックやキャノンなど、大手の企業とのコラボレーションはありましたが、これからは、地域の土建業者や公共土木事業に関わっている企業や、一次産業やサービス業を営んでいる個人や企業のみなさんと協働していきたいと考えています。
具体的にはこんなことをしています
持続可能な地域社会の実現を目指して活動していますので、目指すところはSDGsと共通します。活動の柱は次の4つです。
・水質改善/農業用水として河北潟の水を利用することを、農家がためらうような状況が続いており、私たちはこの水質改善に向けて、さまざまな活動を進めています。
・流域での保全活動/河北潟にはたくさんの川や農業水路が流れ込んでいることから、流域全体での環境保全活動にむけた連携の仕組みづくりなどにも取り組んでいます。
・生物多様性保全/湖岸や農地の環境の変化により、さまざまな野生生物の生息環境が悪化し、絶滅の危機にある野生生物も少なくありません。農薬使用削減のための農産物の生産、ブランド化や生物調査、ヨシ原の保全活動、外来植物除去活動などを実施し、生物多様性の保全に取り組んでいます。
・人と農地、自然環境との接点を増やす/周辺住民でも河北潟との接点がない人が多く、農業に関わる人も減ってきています。農地、自然環境への関心を増やすため、自然観察イベントや農業体験を実施し、体験の場を提供しています。
なお、私たちは冬期を除く毎週金曜日、金沢駅西広場で、河北潟周辺の農家さんが有機肥料・無農薬で栽培した野菜を直売する「ゆうぐれ金曜マルシェ」も主宰しています。
活動してみての手応えや反響など
日本自然保護大賞(平成26年度)、生物多様性アクション大賞(平成26年度)、日本水大賞(平成24年、第14回)、いいね金沢環境活動賞(平成22年度)など、たくさんの受賞歴があります。
今後の活動や目標、夢
「河北潟が泳げる湖、おいしい魚、安心して使える水になっていないこと」が課題であり、これを解決するために、流域の森や農地に支えられた汽水生態系を復活させて、河北潟から豊かさを持続的に受け取ることができる地域を目指します。
お願いしたいこと
特に地域の土建業者や公共土木事業に関わっている企業に協働を希望します。
協力できること
- 土木事業の中で環境改善につながる方法を一緒に考えます。
- 環境方針作成のお手伝いができます。
募集について
募集の期間、人数に限りありません。まずはどのような形で協働できそうか、ご相談したいと思います。
活動実績
2005年 外来植物除去活動開始(2010年度セブンイレブンみどりの基金より助成)
2010年 内灘砂丘でチクゴスズメノヒエ堆肥を利用して化学肥料の使用を減らしたすずめ野菜の栽培開始
2010年 市民や農家、NPO、行政が協力して河北潟の環境改善に取り組み、その成果を広く伝え、継続させることを願って開催される「河北潟自然再生まつり」の事務局を担当
2011年 河北潟セミナー開始(2011年損保ジャパン環境財団「環境保全プロジェクト」助成)
2012年 農薬を使わず、たくさんの生きものがすむ豊かな田んぼを目指し、協働で米づくりを行う「七豊米」の活動開始
2014年 生きものも農家も食べる人も元気になれる「生きもの元気米」づくりを農家と協働で開始